胡蝶蘭の花が1輪、また１輪と落ちていく姿を見ていると、なんだか寂しくなってきますね。でも、胡蝶蘭は育て方次第で、毎年花を咲かせることができることをご存じでしたか？

 

胡蝶蘭は生命力が強いお花で、寿命は50年以上とも言われています。
何十年と咲かせ続ける自信はなくても、一度は自分の手で再び花を咲かせてみたいですね。

 

そこで今回は、ギフトで頂いた胡蝶蘭の花を、もう一度咲かせるための育て方を解説したいと思います。

 

１． ギフト用胡蝶蘭の特徴

胡蝶蘭は1株に１本の花芽しか出ません。そのため、ギフト用胡蝶蘭はボリュームをもたせるために、出荷直前に開花した株を数本、大きな化粧鉢に寄せ植えするという作業を行います。

 

植え木鉢の種類

家庭栽培用は素焼き鉢、ギフト用には化粧鉢が多く使用されています。

素焼き鉢は、鉢内の風通しがよく水の乾き方が早いのが特徴です。
化粧鉢は、見た目は良いですが陶器などでできているため、水の乾き方が遅いのが特徴です。

　　　　　　　＜素焼き鉢＞

 

　　　　　　　 ＜化粧鉢＞

 

化粧鉢は水の乾きが遅く鉢も大きいので、根ぐされしやすく栽培に適した鉢ではありません。
胡蝶蘭を長く育てるためには、水はけのよい素焼き鉢に１株ずつ植え替えする必要があります。

 

植え替え時期は、通常5～6月に行いますが、それ以外の季節であっても、冬と真夏以外であれば植え替えを行います。その方が株にとっては良い環境となります。
→胡蝶蘭の植え替え方法

 

生育サイクル

家庭で栽培する胡蝶蘭は、通常の生育サイクルなので、花は春から初夏にかけて開花します。
一方、ギフト用胡蝶蘭は、環境の整った生産農園で開花調節ができるため、一年中開花株を見ることができます。そのため、通常の開花時期ではない時期に胡蝶蘭を頂くと、その株は育てる環境になれるまで成長や開花が不順になることがあります。

 

 

２． ギフト用胡蝶蘭は花が散る前に切り花にする

胡蝶蘭の花を楽しめる期間は、2ヶ月～3ヶ月といわれていますが、ギフト用に寄せ植えされた胡蝶蘭の場合は、全ての花が落ちるまで放っておくと、株の栄養分が花に取られてしまい、株自体が衰弱してしまいます。

 

株が衰弱することで、翌年に花芽が出なかったり、枯れてしまうことがあります。そのため、花は1ヶ月半（40日）ほど楽しんだら切り花にします。切り花にする場合は、花茎の基部をハサミで切ります。

 

また、胡蝶蘭は1度咲いた花茎を3節めで切って、2番花を咲かせることもできます。
しかし、寄せ植えの状態では2度花を咲かせると、株が消耗するので行いません。植え替えをした後に根が張り、株が元気になってから行いましょう。
→胡蝶蘭の特別な楽しみ方【２度咲き】

 

 

まとめ

胡蝶蘭の花を翌年も咲かせ続けていくためには、最初は切り花にして、株を休めることがとても重要であることがおわかりいただけたでしょうか。

 

初めて胡蝶蘭を頂いた方は、美しい花姿の胡蝶蘭の茎を切ってしまうことに、不安や抵抗があると思います。ですから初心者の方は、胡蝶蘭を心ゆくまで十分に楽しんでいただいてから、剪定されるのがよろしいかと思います。

 

何度か胡蝶蘭を頂いたことがあり、今度は植え替えをしてみたいとお思いの方は、是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

 

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